2023年12月17日に東京で開催された「Dozen Rose FES.2023」に参加してきたので、感じたことの備忘録として記事を残しておきたいと思います。
初めてサークル参加される方の参考になれば幸いです。
筆者について
- 社会人3年目ぐらい
- イラストは描くが、漫画はほぼ描いたことがない。
- イラスト本やグッズを作ったことがある(ので入稿の流れは分かる)。
- 一般参加は一度だけ。
- 売り子・買い子さんなし。一人参加。
サークル参加に至った経緯
一枚絵をずっと描いており、漫画もやってみたいな~とは思っていたのですが、仕事してるから漫画なんて描く時間ないし…とか、勇気出ないし…とか言い訳をして2~3年ぐらい放置していました。描けや。
とある作品にハマったことがきっかけで、これを機に漫画とやらを描いてみるか…?と思ったのが始まりです。締め切りを作らないと漫画なんか一生描けねぇ!!と半ば勢いでイベント申し込みをしました。
参加イベントを決める
ちょっと小さいイベントでリハーサル(?)をしたいな~!と思っていた時、たまたまXでみかけた赤ブーのポストを見て「あ!参加枠が埋まりそう!」という謎の焦りから12月のオンリーに参加を決めました。
★2023年12月17日(東京)Dozen Rose FES.2023
— 赤ブーブー通信社 (@AKABOO_OFFICIAL) October 8, 2023
西南全ホール12000sp募集:速報値12000sp超↑(10/8 9時現在)
申込集中しております。
募集数を超えておりますが最大収容まで継続。
達し次第、延長〆切を待たずに受付終了となります。
ご予定の方は大至急お手続きをお願いいたします。… pic.twitter.com/ECyLqCfrqm
その時は12月は冬コミ!ってイメージでDozen Rose FES.なんて1回も名前を聞いたことがなかったため、そこそこ小さいイベントなんだと想像していましたが、申し込み後によくよく調べたらすごい規模のイベントでおったまげました。
初めての方は10000spを超えたら人がたくさんくる大きいイベントなんだな~と思っておくとよいです。
sp規模が大きいイベントだと印刷所の締め切りが早くなったりして動きが変わってくるので、ちゃんと下調べをしましょう!ギリギリの民は特に!
申し込み前後にやったこと
- b2オンラインに会員登録
- youtubeとかでサークル初参加の動画を見る、ブログやnoteを調べる
- 赤ブーのサイトを読み込む
- 準備するものに目を通す
Webイベントでもよかったのですが、「初参加で本作らないとスペースに何もなくて恥ずかしい思いをするんだぞ!!お前それでいいのか!?」という圧が欲しかったのでオフラインイベントへの参加を決意。
主催が「スタジオYOU」か「赤ブー」か「コミックマーケット準備会」かなどの違いがあるので初めてサークル参加する際はそれぞれのイベントの特徴をきちんと調べてから申込みをするのがおすすめです。男女の参加率やジャンル傾向にも大きく違いがあるらしい。
私は女性向けで有名な赤ブー主催の即売会に参加することにしたので、まずはb2オンラインに会員登録をし、イベント申し込みを行いました。支払いまで先に済ませることで後戻りできなくさせる作戦です。
コミケのニュースを見るに、夏はキツイだろうなということは想像がついたので真夏は避けました。
申し込み時にサークルカットがいるということを知って焦りましたが、個人情報以外は締切10日前までいつでも変えられるらしいので(2023年現在)一旦文字だけで登録。結構ギリギリまで変更できるので初心者に嬉しい。
Xのフォロワーが0
なんと、アカウントを作ってからずっとROM専でSNSを録に動かしていなかったためイベント申し込みの時点のフォロワー数が0。
ジャンルへの支部の投稿も0だったため、このまま頒布数0もありえる…と思い、鍵を外してもそもそ絵だけ上げ始めました。フォロワー0でイベント参加を考えている方、安心してください。
きちんと告知をすれば人は来ます。
持ち物を確認する
さて、申し込みを終えたところで何を持っていくか構想を練ります。
ちなみに私の場合はこの時点からずっと「夏休みが終わる一週間前なのに宿題が全然残っている…!!」みたいな謎の不安と緊張が続いていました。何かしていないと落ち着かないと思うのでここで持ち物確認とかすると捗ります。
新刊はもちろんですが無配やポスター、お品書きなど、頒布するしない関係なく作りたいと思ったもの、イベントに向けて買わないといけないものなどを一旦すべて書き出します。
- 新刊
- 無配(余裕があればコピー本、他ポストカードかシール)
- ポスター
- お品書き
- 値札
- お釣りを置くトレー(カルトン)
- 敷き布
- 差し入れ
- サークルチケット
- 小銭
- ポスタースタンド
- ボールペン
- サインペン
- ガムテープ
- はがきサイズぐらいの紙
- マスキングテープ
- クリアファイル
- メジャー(スペース測る用)
- ゴミ袋
- 昼食
- 暑さ/寒さ対策グッズ
- 暇つぶしグッズ
- モバイルバッテリー
- 見本誌用カバー
- 小銭入れ
- 眼鏡
- クリップ
- カッター/はさみ
ノリノリで書き出したはいいものの、持ち物多すぎないか…!?という気持ちになってきました。
でも支払いをしてしまったので前に進むしかありません。最悪、新刊さえあればよしの気持ちで進みます。
納期を調べる
持ち物確認と並行して印刷所をピックアップし、締切から逆算して原稿の予定を立てていきます。
一回家で設営のリハーサルをしてみたかったので、準備も考慮し大体イベント1か月~2週間前ぐらいに入稿データが完成していればいいんだな~ということを理解しました。できるかは別。
想定していたスケジュール
とりあえず描けそうなネタから漫画を書いてみる
さて、おおよそのスケジュール感を掴んだら一度漫画を描かないと話にならんということで、1ページ、いや、4コマ、いや2コマからでも…という気持ちでネタだしを始めます。
5個ぐらいネタを考えたところでもう無理となるがひねり出します。気合いです。
まだ話のネタを出しただけなのに、これをひとコマずつ描くのか?私にできるのか?と読んでもらえるのか?面白くなるのか?という不安でいっぱい。
とりあえずクリスタで漫画を書いてみるぞ~!と意気揚々と新規ファイルを開くも、同人誌の一般的なサイズが分からん…と躓き、ノドとは?基本線ってどれ…?と一歩進んでは毎回悩んでいました。
私は漫画の基本的なルールで引っかかりましたが、やる気があってもなんだかんだと時間がかかるので余裕を持ったスケジュールを組んでおくのがおすすめです。
半年前ぐらいからプロットを練っていたお話があったのでそれを本にしようと決めます。誰にも刺さらなくていいから絶対自分が好きな話にしてやる。
油断するとすぐ評価とかいいね数とかコメントとか気にしてしまうので「自分に刺さる本」を作る。絶対。という強い意志を持って進めます。
Xで部数アンケートをしたら数十票以上入っていて慄きました。
アンケートには特に深い意味もなく備考欄を設けていたのですがコメントを書いてくださっている方が結構いて、通販と現地希望が半々だったので悩んだ結果通販をやってみることを決めます。やはり今の時代は通販か…。
進捗を考えながらこれは入稿はイベント1週間前になるな…と思い始めます。
無配は自作でステッカーを作りたいなーとふわっと考えていましたが今はそれどころではない。表紙用のイラストが終わらなくてやばい。
いやでも、イベントらしいことをしたいのでポスターはA2だな、お品書きも作りたいな~などと考えていました。
イベント1週間前。本来入稿しようと思っていた日ですが、仕上げが終わらないので泣く泣く特殊装丁使えない通常締め切りに変更しました。焦りながら原稿を進めます。
2回ぐらい家で試し印刷をし早朝に脱稿!!普通に平日だったので、睡眠時間2時間で仕事に行きました。
寝ないと持たない体質なのできつかったです。
たまたま仕事が暇だったからよかったですが、午後は眠すぎて全然集中できなかった。
大きな不備連絡もなく新刊の入稿が完了したので、他にも何か作りたいな~と思いクリスマスにちなんだ無配シールを作ります。
自宅のプリンターで作ろうか迷ったのですが、持ち込みで作れるところもいいなと調べた結果アクセアさんにお世話になりました。
こちらはデータ不備で速攻電話がかかってきた。作り方完全に誤解しててごめんなさい。
入稿・入金が終わってから3hぐらいでできました。これで特急料金かからないのマジ…?
実際のスケジュール
こちらがイベント当日までの実際のスケジュール。
夜光バスで出発。意外と寝れました。最悪一睡もできずに参戦だと思っていたので嬉しかったです。
漫画の工程の多さを侮っており、仕上げが最小限になってしまいましたが初めてにしては上出来だったと思います。
このお話を描く!と決めてから全ボツになったのは想定外だったので、次はもっと余裕のあるスケジュールで行きたい。
・ポスター作り(新刊と一緒に入稿)
・サンプル公開(冒頭7ページをイベント3週間前に公開)
・お品書き作成(イベント1週間前)
・pixivへの掲載(イベント1週間前)
・navio登録、掲載(イベント1週間前)
・部数アンケート(イベント3週間前)
■初回のみ:書店委託手配(初回は不明点や登録事項が多くて時間が掛かる)
他、界隈内でラリー等のイベントがあれば確認
中身の良し悪しは別として、告知・宣伝をしないことが理由で誰にも手に取ってもらえない、というのを避けたかったのでサンプル掲載は頑張りました。投稿を見てもらえる人はここまでしなくていいと思います。
告知しないといけないプラットフォーム多くないか?
荷物の最終確認。サークルパスは5回くらい確認しました。
旅行慣れしておらず絶対移動で戸惑うことが分かっていたため、リュックとトートバッグに収まるように荷造りをします。
意地でもキャリーケースは使いたくないとコンパクトにしましたが体感10キロになったのは誤算だった…。
当日(12/17)
バスから乗り継いで東京ビックサイトへ向かいます。東京駅でちょっと迷った。
りんかい線に乗り換えたあたりからスーツケース持ったオタクらしき女の人たちがいっぱいいて、トイレは既に長蛇の列。
この辺りからヒョオ!イベントだな~~と緊張し始めます。トイレの列でイベント感じるの何?
早めについたつもりだったのですが、なんだかんだ開場時間ぴったり(8:00)ぐらいに入場。
会場内は撮影禁止だったため言葉でお伝えするんですが、すっっげ~~人でした。日本中のオタクが集まってるんじゃないか…ってちょっと感傷に浸るレベルです。
寒かったけど、ビッグサイト前に突き抜けるような青空が広がっていてこれから始まるんや、わくわくって感じで入場しました。
今回は南2ホールだったのですが会場がとても綺麗で(東と西ほとんど知らないけど)、まだ周りはほとんど来ておらずきょろきょろしながら自分の机を探しました。
足元に直接搬入の段ボールが2つ!新刊とA2ポスターです。新刊は恥ずかしすぎて落丁がないかしか見られませんでした。
初めて本を見た感想は「表紙の色がめっちゃビビット!!!!」
今回6色印刷でお願いしたのですが、想像よりピンク赤系の彩度がめちゃくちゃ高くておったまげました。
びっくりしたけど変ではない。彩度高い!すごい!という感じです。
本当は写真を載せたいのですが、諸事情のため設営のイメージだけ載せておきます。
途中、メロンブックスの営業らしき方がこんにちは~今いいですか?と声をかけてきたので「え?はい」とちょっとだけ冷たい声出してしまった。会場でも本回収してるからよかったら使ってねって案内でした。
怪しい人だと思ってすみませんでした!
そんなこんなで開場
左右のサークルさんにご挨拶、差し入れを渡し、開場。
左右どちらも売り子さんがおり、椅子が2脚だったため結構キツキツでした。[2-私-2]の配置。
運営さん配置考えるの大変だっただろうな…。
ポスターの足が常に邪魔だったので、これだけ大きいイベントだとない方がいいかもと感じました。
会場前からサークルさんらしき人がメモの紙を持ってうろうろしていたのですが、会場の拍手からすぐ「新刊1部ください」って来てくださりヒェッって声出そうになった。震える手で新刊を渡しました。
おぉこれが初めての新刊手渡し…と思ったのもつかの間、30分ぐらいひっきりなしに人が来て、あ、あっ500円です…と言う機械になってた。接客バイトとかしたことないので本が先?お金の受け取りが先?お釣り!あれ?無配は?みたいになりました。どうすればいいか全然分からん。
みんなほとんど何も見ず新刊だけを買っていくので、無配がある場合は「無配はよろしかったでしょうか!?」と聞くか、押し付けてしまった方が良さそう。
グッズ作りたいな、とか思ってたけどあんまり求められてないな~と思いました。同人誌の即売会だしね。それよりも多分ペーパーかコピー本作った方がいい!
会場から1時間経ったあたりで人が途切れましたが、ずーっと自分の椅子できょろきょろしていました。
他の方のブログで開場中は暇だから暇つぶしを持って行った方がいい!って見たんですけど全然そんなことなかった。色んな方に来ていただいたし、全部が目新しくて新鮮でずっとそわそわしてた。
新刊が用意できれば、暇なことはあんまりないかもしれないです。
一応ipad持ってったんですが、鞄の錘になっただけだったので次は要らんなと思いました…。
お隣のスペースの売り子さんがコピー本の印刷行っていたり、今その場で絵を描いていらっしゃってうお~すげ~~と思いながら、チラッチラッと見ていました。お疲れさまです…!
13時になり満足したので撤収作業していると、「通販売り切れてて…!まだ本ありますか!?」と駆け込み来てくださった方が1人。正直一番嬉しかった。
結果はほぼぴったり完売!1部だけ残ったので自分用に持って帰りました。
感想
初めてのサークル参加楽しかった~~!!!と大声で言いたいところなんですが、正直頒布中もイベントが全部終わった後も「本当にあんな本配ってよかったのか?」の気持ちでいっぱいでした…。
ちゃんと納得して買っていただきたかったのでサンプルを多めに公開していたのですが、本当に見たのか!?こんな本に金出していいの!?後悔しない!?ってずっと心の中で思っていました。
いや非日常、とかお祭り感はすごくあったけど…楽しかったかと聞かれると…う~~ん?みたいな。
なんだろう、一人だったし、初めての本作りで反省点が多くて自分があまり満足できていないからかもしれない。
でも、会場の全員の人が二次創作嗜んでるし、ここにいていい人間なんだ!という安心感はすごかったです。いい経験になりました。
奥付のwaveboxに感想とかも特に来なかったけど「ウッ…俺のスペースに人間なんて一人も来ないんだ…」と嘆いていた時期もあったので、とりあえず辛うじて人が読めるものができたのかな?と思っています。満足はできてないけど。
満足はできてないので次の本頑張りたいと思います。
次は1週間前の締め切りじゃなくて、1か月ぐらい前に入稿したい。
人はこうして創作活動を続けていくんだろうな。